2008-08-28

ウェーバーの法則とラチェット効果

社会学などをかじると、マックス・ウェーバーという、
いかめしい顔をしたオジサンの写真を見ることが
必ず一度はあると思います。

僕自身、教科書などを読んでいてウェーバーの写真
を見て「なんでこんなコワイ顔してるんだろう?」と思
った事が何度もあります(笑)

彼の名をとった「ウェーバーの法則」は、人間が元々
受けていた刺激が大きいほど、その変化量を認識
するための量も大きくなることを示しています。

これを知ったときに思い出したのが、数年前にもて
はやされた成果主義に対する、ラチェット効果を引
き合いに出した反論。

今年すごい成果を挙げたとしても、来年はそれ以上
の結果を出さなければ、ノルマ未達成で瞬時にエリ
ートが落ちこぼれになる・・・というリスクへの自
衛策として「そこそこ」に仕事をこなすという話です。

「ウェーバーの法則」は、すでに得た刺激からより
強い刺激への欲求を裏付けるような内容で、もっ
ともっとを求めつづけることによって事故を引き起
こす危険性を増やしていく温床を生み出す心理を
ピタリと説明した法則のように見えますし、翻っ
「てラチェット効果」は、何らかの評価を受ける
側が生んだ知恵といったところですね。

こうした両者によるせめぎ合いの上に、安全管理
という世界が成立していると捉えるのは、穿ち過ぎ
というものでしょうか。


■関連リンク
ウェーバーの法則
亀戸図書委員会
2003.03.03


ウェーバーの法則
脳機能の解明に挑むイメージング技術


ウェーバー・フェヒナーの法則
武田邦彦 (中部大学): 大切なこと (4)


成果主義とラチェット効果
関口ゼミのページへようこそ!
2005-03-23

2008-08-23

敵こそ、我が友

元ナチス親衛隊であるクラウス・バルビーの
生涯を軸にして第二次大戦以後の裏面
史を描いた作品です。

観客層に、おそらく戦中に子供時代を過
ごしたであろうと思われる年代の方々が多
かったのは意外な印象でしたね。

バルビー自身の持つ能力や経験が、大国
の思惑というある種の「波」と合致したことで
戦争犯罪の追及を逃れて暗躍できた様に
も見えるのですが、その犠牲者となって生き
残った人々が語る内容の生々しさと悲痛さ
には胸が痛みます。

上映後、館内に張り出してあるコラムなど
を見てみると「欺瞞」、「愕然」といった言
葉が散りばめられた記事がいくつもあって、
歴史の重さと複雑さが現代にも引き継が
れ脈打っていることをつくづくと感じたひと時
でした。


■関連リンク
敵こそ、我が友
~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~
公式サイト


Mon Meilleur Ennemi : un film de Kevin MacDonald

クラウス・バルビー - Wikipedia

2008-08-22

空港の風景

日中に、来月利用することもあって
当日余裕を持って手続きできるよう
成田空港へ下見に向かいました。

昼食を頼んだレストランでは、なぜか
注文を取りに来た方に「空港内で働
いていますか?」と尋ねられるといった
面白い出来事もありましたね(笑)

今日の成田もそうでしたが、最近の
昼間は積雲が空を覆う位の状態で
夕方には土砂降りになることも度々。

先日の雨では側溝から水が逆流す
る光景まで目にしましたが、昨年を
思い出すと亜熱帯と言って良い位の
状態になりつつあるように感じます。

2008-08-19

学びのチャンスを得るために

夕食を外で済ませた帰り道の車中で、J-WAVE
の番組"JAM THE WORLD" を聞いていて「もしも、
あなたが奨学金を知らなかったら…」というトピッ
クを耳にしました。

たしかに国内で「奨学金」と言えば対象者が借
金をする形式が真っ先に浮かんで来るのではな
いでしょうか。

もちろん、ネット上で調べれば、いわゆる「給付」
といった形で奨学金を受けることのできるケースも
あるので一概には言えないのですが。

能力がありながら金銭上の理由でステップアップ
が困難な人材に対する支援という観点から見る
と貸与では意味が無いとは言いませんが、以前
から違和感を感じる制度だっただけに、番組中
でも全く同様のコメントが出ていたことは非常に
強い印象を持ちました。


■関連リンク
JAM The World

奨学金 - Wikipedia

マクロミル 公開調査データ一覧

自分にあった進学費用バックアップ制度
リクルート進学ネット

2008-08-15

インテル、同社製CPUで発覚した2件の重大な脆弱性を修正

Computerworld.jp、2008年8月11日の記事です。

この記事を見かけてからずっと気になっていたことも
あって掲載しましたが、何年か前に受講したトレー
ニングで講師を務めていた方が元メインフレームの
技術者で、「今の石(CPUのこと)は造りがチャチだ
よなァ」と話していたことを改めて思い出しました。

コンピュータに触るのにとてつもない費用がかかった
頃の方々から見ると、現在語られているハードウェ
アの脆弱性がどんな感じに映るのか、じっくりお話
を聞いてみたいと思ったりもします。


■関連リンク
Remote Code Execution Through Intel CPU Vulnerability
Will Be Presented In Hack In The Box Security Conference
CyberInsecure.com
July 15th, 2008


Remote code execution through Intel CPU bugs | Zero Day
ZDNet.com
July 14th, 2008


CPU Bugs, Patches and Vulnerability
eweek.com
2007-06-29


【IDF Spring 2004】Intelがバッファ・オーバーフロー防止技術をCPUに搭載
ITPro
2004/02/20


奮闘記:その44
メモリ違反で起こるバッファオーバーフローによるroot権限奪取の手口
ちょっとしたメモリ違反の恐ろしさ


Pentium 4のハイパースレッディングに抜け道--パスワード盗難のおそれ
CNET Japan
2005/05/17 09:40


DEP:Data Execute Prevention
KNOnline.NET Suika WebDiary
2006年02月09日(Thursday)


DEP:Data Execute Prevention
KNOnline.NET Suika WebDiary
2006年02月09日(Thursday)


Intel社製CPU関連情報

インテルミュージアム

Intel ocessor Spec Finder

CPU Design HOW-TO
瀬戸口 崇 と JF Project
翻訳日:2001年 5月 31日


もう迷わない! CPU型番早わかり Intelデスク編
ASCII.jp
2008年08月02日 16時00分更新

2008-08-10

観て来ました

先日記事に書いた「スカイ・クロラ」を昨日観て
来ました。

始まった途端から一気に引き込まれ、空中戦
のリアリティと血生臭さをこれほど感じた映画は
初めてでした。

だからこそ、"キルドレ"と呼ばれる戦闘機乗りを
務める子供達の心情がよりはっきりと浮かび上
がるようでしたね。

サッカー中継のごとくダイナーのテレビに映し出
される戦いの様子、戦局を知らせるニュースや
新聞といったメディア、その受け手となる人々の
動きも丹念に描かれていました。

押井監督の作品は重たさの残るものがほとん
どのような印象がありますが、今回は「人狼」
に次ぐ重さを感じました。

重たいけれど、また映画館へ足を運びたくなる。
素晴らしい作品を味わえた僥倖に感謝です。

2008-08-08

米国炭疽菌事件の捜査終結

以前に「バイオテロへの警告」という番組を見ていた
こともあって目に留まっていたニュースです。

番組の中では、2001年当時に使われた炭疽菌の
精度が軍用レベルのものだったことから内部犯行だ
った可能性もあるという話が出ていたと記憶してい
ますが、実際にその通りだったのでしょうか・・・。


■関連リンク
ナショナル ジオグラフィックチャンネル
バイオテロへの警告


2001年の米炭疽菌事件の容疑者が自殺、
米陸軍感染症医学研究所の研究者
Technobahn
2008/8/2 22:35


FBI closes chapter on worst bioterrorism case in U.S. history
The Tech Herald
Aug 6 2008, 23:41


炭疽菌 - Wikipedia

「米国の同時多発テロ」における炭疽菌等の汚染のおそれのある
封筒等の取扱い方法について
厚生労働省


在NY総領事館・炭素菌への対処
在New York日本国総領事館


バイオテロ関連リンク集

USAMRIID Blue Book 第5版
レジデント初期研修用資料
2004年12月3日

2008-08-05

断片

先月に、Computerworld.jp で紛失や盗難にあ
ったノートPCの行方を追跡するオープンソースソ
フトの記事を読んでいました。

一部の機種では本体に埋め込まれているカメラ
を使って意図しない使用者の写真を撮ることも可
能といった機能もさることながら、オフィシャルサイト
のFAQではプライバシー保護に関するユニークな
質問と回答を見ることができます。

この記事を読んでから、クーリーという社会学者が
提唱した「鏡に映った自我(looking-glass self)」と
いう概念が思い浮かびました。

要するに、「他人という鏡を通して、自分がどんな
者かを知ることができる」というものです。

現在普及しているような大容量の記録媒体には、
他者と行ったコミュニケーションによって「自分は○
○だ」というアイデンティティの認識や感情を持つ機
会の断片が様々な形で蓄積されているといった解
釈もできると思います。

その意味では、特に個人的用途に使っているPC
に限って言うなら記事のタイトルにある"取り戻す"
のは「人生」というよりも、「自我を保持する根拠
の断片」かもしれません。


■関連リンク
【解説】「なくした“人生の一部”を取り戻せ」
オープンソースのノートPC追跡ソフト「Adeona」が完成
Computerworld.jp
2008年07月15日


Adeona

IBM、人生のさまざまな局面を記憶しておくための新ツールを開発中
Computerworld.jp
2008年08月01日


“グーグル革命”の衝撃 あなたの人生を“検索”が変える
NHKスペシャル