ここ数年、「J-SOX」、「内部統制」といった言葉を
よく耳にします。
いずれも、金融証券取引法・新会社法の双方で
企業内での業務を適切にコントロールしなさいとい
う点に触れているので余計ややこしい感じを持って
います。
個人情報保護法の時と同様、パニックと言っても
いい様子を見聞きしたことがありますが、こうした状
況を受けてか、3月11日に金融庁が「内部統制
報告制度に関する11の誤解」というタイトルで文
書を発表しました。
そこで文書にざっと目を通してみたのですが、まず
第一印象が「見づらい」です。
誤解としている箇所を上に配置しているのですから
視点もまずそこへ向くでしょうし、それを正したいとい
う意図であれば矢印の向きが逆では混乱しますね。
文章の配置をそのままにするならば、「実際 ⇒ 誤
解」ではなく、「誤解 ⇒ 実際」とした方が流れとし
ては自然に思います。
内部統制という言葉そのものも、あれこれ見ている
と様々な解釈が出回っていてゴチャゴチャな感じを
持ち続けてきました。
情報セキュリティ大学院大学の大井先生は"イー
ジスプロジェクト"というインタビューで、内部統制を
「企業の仕事をうまくやるための仕組みであり、企
業の経営をうまくやるための仕組みなのです」と非
常に簡潔な定義をされています。
この定義をまさに地で行っている話だと思い出した
のが、数年前に製薬会社の方による講演を拝聴
させていただいた時のこと。
自社の身の丈を客観的にモニタリングされて、でき
ることとできないことをスッパリ割り切っていた印象が
ありましたし、何よりそうした事を組織的に素早く
取り決めて動く「風通しの良さ」を感じました。
僕自身は幸いながら(?)J-SOX対応支援の経
験は現在のところ微々たるものですが、内部統制
に限らずあまりに物事の方針が決まらないところで
は、まず7Sなりのフレームワークに自分達が当ては
めることのできるキーワードを落とし込んで大まかで
あれ自らのコンセプトを明確にする方が先決であっ
て、それを妨げる物があるならば、何が原因かを問
うてみてはと思うことが多々あります。
■関連リンク
内部統制 - Wikipedia
内部統制って一体何だ?―不祥事を防ぐ内部統制の基礎知識
「内部統制=日本版SOX法(企業改革法)」という誤った図式(上)
岡村久道 IT弁護士の眼:ITpro
2006年04月17日
内部統制報告書の基礎が誰でもわかる
金融商品取引法の内部統制報告書についてのQandA
世間は誤解している
~金融庁が日本版SOX法に関する11の誤解を指摘 - @IT
2008/03/11
2008-03-15
内部統制報告制度に関する11の誤解
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